当会への参加について

「人災」としての土砂災害を引き起こす種は、日本全国にあります。自然を破壊し続け、行政も見て見ぬふりをしている状態では、純粋な天災など存在せず、ほとんどの場合に「人災」が含まれていると言えるでしょう。

しかし、土砂災害を引き起こした本当の原因が「人災」であっても、その真相がもみ消されてしまえば、すべては、「天災」のせいとされてしまうのです。つまり、熱海土石流の真相を究明できなければ、「人災はもみ消して、すべて天災のせいにすればいい」という悪しき前例となってしまいます。そうなれば、補償されるべきものも補償されず、業者や怠慢な行政の責任はうやむやにされ、今後も、人災によって命が失われる悲劇が日本全国で繰り返され、それでも誰も責任をとらないということになりかねません。

ですから、「人災」によって２７人の尊い命が犠牲となった熱海土石流の真相を究明し、責任の所在を明らかにすることで、自然破壊を伴う開発のモラルが守られるようにすることが大切です。

熱海に住む人々は、違法な盛り土の危険性を知らされないまま、約15年間も死の危険にさらされ続けていました。その結果、27人の命が犠牲になり、今も1人が行方不明という悲劇となったのです。

みなさんは、土砂災害の危険がどこに隠されているのか、そして、それがどの程度の危険なのか、ご存知ですか？あなたのすぐそばに、「人災」による土砂災害を引き起こす要因が隠れているかもしれません。しかし、真相が究明されず、責任の所在がうやむやにされれば、すべては「天災」のせいにされてしまいます。

熱海土石流は、当初から業者や行政の怠慢などの「人災」であると言われていましたが、その後１年が経過した時点でも、行政の責任を追及する者は現れませんでしたし、真相は全く明らかになりませんでした。私たちは、このままでは「不幸な天災」のせいにされてしまうと思い、「何かがおかしい」「このままではいけない！」と感じ、「自分たちが立ち上がらなければご先祖様にも未来の子供たちにも顔向けできない」と思ったのです。

みんなの暮らしをどう守り、どう復興させるのか、熱海の自然をどう守り、子どもたちに何を受け継ぐのか。熱海土石流で亡くなった方々を弔うためにも、「人災」という真相をもみ消してしまえばよいという悪しき前例を作らないためにも、熱海土石流事件の真相を究明し、二度と同じ悲劇が起きないようにすることが大切なのです。熱海の未来を守ることが、日本全国にある違法な盛り土や乱開発の危険から皆さんを守り、また、子どもたちの未来を守ることにつながるのです。そしてそれは、今を生きる私たちの行動にかかっています。

そこで、土石流による遺族や被災者、そして、この土石流を巡る問題に胸を痛める全ての人の想いが掻き消されることのないよう、私たちは、「熱海土石流みんなの会」を設立しました。真相究明を見届け、自然破壊の人災からみんなの暮らしを守り、子どもたちの未来を守っていくために、みんなで一緒に力を合わせましょう。参加して頂くだけで、みんなの力になります。一人でも多くの方に「熱海土石流みんなの会」に参加して頂きたいと思っています。